ビタミンCは第3に重要な栄養素です。
ビタミンC(アスコルビン酸)
[性質]
水に溶けやすく、熱、アルカリ、空気により分解される。酸、低温ではやや安定。
[生理作用]
コラーゲン合成の際のハイドロオキシプロリンの生成に必要(コラーゲンは毛細血管、骨、歯、軟骨、結合組織の形成に関与)。
小腸からの鉄の吸収に関与。
アミノ酸やステロイド合成にも必要である。
また、体内に発生する活性酸素を速やかに消去し、ビタミンEと共同して健康を保つ作用もある。
※活性酸素とは、酸素分子に不完全に電子が渡された状態(酸素分子が部分的に還元され
たもの)をいう。活性酸素にはいくつもの種類がありますが、その中で人体に悪影響を及ぼすといわれているのが、スパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素の4種類です。ビタミンCは抗酸化物質として、そのうちの3種類(スーパーオキシド、過酸化水素、一重項酸素)の活性酸素を消去できます。皮膚に紫外線があたると、皮下組織に大量に発生してしまうのが、一重項酸素です。これが肌荒れやシミ、そばかす、皮膚癌の原因になります。昔から「朝のビタミンCは金の値打ち、昼は銀、夜は鉛の値打ち」と言ってVCは重要視されてきました。
[欠乏症]
壊血病、皮下出血、骨形成不全、成長不良、貧血、歯肉色素沈着症。
[備考]
調理による損失が大きいので所要量の二倍以上を献立に入れておくことが必要です。
[VCが豊富な食品(100gあたり)]
(果物)
柿70mg、キウイフルーツ69mg、いちご62mg、金柑49mg、文旦45mg
(野菜)
赤ピーマン170mg、黄ピーマン150mg、青ピーマン76mg、パセリ120mg、葉とうがらし92mg
(ゆで野菜)
芽キャベツ110mg、ブロッコリー54mg、カリフラワー53mg、かぶ葉47mg
※一食の目安値は40mgです。
鉄(Fe)は第4に重要な栄養素です。
鉄(Fe)
成人の体内に約4.5g存在し、そのうちの約3gはヘム鉄として残りは非ヘム鉄として存在する。
ヘム鉄のうち76%は赤血球のヘモグロビン内に存在して酸素の運搬役として働き、10%は筋肉のミオグロビン内に存在して酸素の貯蔵となり、14%は組織内の酸化還元や過酸化水素の分解に重要な役割を果たしている。
非ヘム鉄は、フェリチンとして肝臓に貯蔵される一方、血中にはトランスフェリンとして鉄の運搬に関与する。
植物性食品に含まれる非ヘム鉄は3価鉄なので吸収が悪いのですが、ビタミンCにより2価鉄に変わり吸収力が高まります。
[欠乏症]
貧血。(貧血の症状)めまい、動悸、疲れやすさ、頭痛、眠気、寒気、顔色の悪さ、食欲不振、手のふるえ等々。
貧血発症前の鉄欠乏状態においてすでに、貧血と同様の症状が現れる。鉄欠乏症は避けたいものです。
[備考]
コーヒーのカフェイン、カルシウム、加工食品に含まれるリン酸塩は、鉄の吸収を妨げるので注意しましょう。
[鉄が豊富な食品(100gあたり)]
(豆類)
納豆3.3mg、煮豆(ささげ2.6mg・枝豆2.5mg・えんどう豆2.2mg・グリーンピース2.2mg・大豆2.0mg・いんげん豆2.0mg・あずき1.7mg)、
油揚げ4.2mg、がんもどき3.6mg、生揚げ2.6mg、昔、大豆油で揚げられていたので安心でしたが、現在は、なたね油(カノーラ油)が使われているので私たちは避けています。
(肉類とくにレバーに豊富に含まれる)
豚レバー13.0mg、鶏レバー9.0mg、牛レバー4.0mg、馬肉4.3mg、鹿赤肉3.1mg、いのしし2.5mg
(魚類)
まいわし丸干し4.4mg、めざし4.2mg、煮干し18.0mg、うるめいわし2.3mg、かつお角煮6.0mg、どじょう水煮6.4mg
(貝類)
あさり3.8mg、たにし19.4mg、はまぐり水煮3.9mg、ほたて貝水煮2.8mg
健康のためには油を選ぶことが大切です
【参考文献:「油脂の正しい選び方・摂り方」(奥山治美著)】
戦前から豆腐店の揚げ物の油は、大豆油が使用されていたので安心でしたが、現在は、なたね油(カノーラ油)が使われているので、私たちは食べることを避けています。
最近、岩手県にある太子食品工業株式会社(本社:青森県)では、カノーラ油を止めて、大豆油を使用するようになったと、岩手県の仲間から伝えられて、とても嬉しく思います。
健康のために、広く日本中が変わってほしいと願っています。
なたね油の有害作用
1.腎臓・脳・脾臓の臓器障害
2.血清と精巣のテストステロン(男性ホルモンの1つ)の大幅な減少=環境ホルモン(内分泌錯乱)作用
3.ビタミンK作用の阻害による動脈硬化の促進
4.寿命を異常に短縮
※一食の目安値は4mgです。
※参考:太子食品工業株式会社の公式ホームページはこちら
(ナイアシンとビタミンDを含んでいる食品は魚だけと理解してください。)
第5に重要な栄養素はナイアシンとビタミンDです。
ナイアシン
[性質]
水に溶ける。熱に強く、酸化や光にも強い。アルカリに強い。
[生理作用]
生体内ではNAD(nicotinamide adenine dinucleotide)やNADP(nicotinamide adenine dinucleotide phosphate)として酸化還元反応で水素の受容体となる。
組織酸化、糖質代謝、脂質代謝、蛋白質代謝として役立っている。
必須アミノ酸のトリプトファンからも合成されるので蛋白質摂取の少ない場合には欠乏症が出現する。
補酵素としての作用は重要で、およそ500種類の酵素の反応に関与していることが知られている。
[備考]
体内ではトリプトファン60mgから1gmの割合でつくられる。
※一食の目安値は6mgです。
[ナイアシンを多く含む食品(100gあたり)]
かつお(春獲り19.0mg、秋獲り18.0mg)、さば10.4mg、いわし8.2mg、さんま7.0mg、さけ6.7mg、あじ5.4mg、豚もも肉6.5mg、鶏もも肉5.6mg、牛もも肉5.1mg
ビタミンD
[生理作用]
カルシウムとリンの腸内吸収を促進させ、正常な骨の発育に関与する。
腎臓でのカルシウムの再吸収を促進し、排泄を抑制してカルシウムを調整。
[欠乏症]
小児ではクル病、成人では骨軟化症、虫歯になりやすい。
※ビタミンDを含む食品は魚に限られているといっても過言ではない
※一食の目安値は2μgです。
[ナイアシンとビタミンDを一覧で示す(食品100gあたり)]
[ナイアシン] |
[ビタミンD] |
かつお(春獲り)19.0mg |
4μg |
かつお(秋獲り)18.0mg |
9μg |
さば 10.4mg |
11μg |
いわし 8.2mg |
10μg |
さんま 7.0mg |
19μg |
さけ 6.7mg |
32μg |
あじ 5.4mg |
2μg |
豚もも肉 6.5mg |
0.1μg |
鶏もも肉 5.6mg |
0μg 肉にはビタミンDは含まれません。 |
牛もも肉 5.1mg |
0μg 肉にはビタミンDは含まれません。 |