アパレルビジネス

名鉄ワールドトランスポートのアパレルビジネス

アパレルビジネスの生産拠点が中国へシフトし始めた30年前から、チャイナプラスワンといわれるアセアン地域への拡大が進む今日に至るまで、航空/海上を問わず、一貫での輸送・通関等を長年に亘り提供させて頂いております。

アパレル特有とされる暫定8条や評価申告といった煩雑な税関に対する申告手続きを 他社に先駆けて取り扱いを伸ばしてきました。昨今の短納期なサイクルにも対応すべく、 迅速な輸送手段と的確な申告手配の提供により、数多の繊維商社様やアパレル会社様、OEMメーカー様から高い信頼を頂いております。

単に輸送だけでなく、暫定8条や評価申告等 通関に関わる事についても、お気軽にお問い合わせください。長年の実績とノウハウを蓄積した繊維分野に精通したスタッフがご要望にお応えします。

名鉄ワールドトランスポートのアパレルビジネス

一般的に「暫八(ざんぱち)」とも言われますが、これは関税暫定措置法第8条の略称であり、加工再輸入減税制度のことを示します。本邦より加工又は組み立てのために輸出された原材料(生地や附属品)を使用する製品の減税が目的です。それにより加工貿易の促進や国産原材料の使用率が上がることによる国内産業の活性が図られています。全ての原材料に対して暫定八条が適用されるわけではありませんが、年々その適用対象の原材料も増えています。実際に暫定八条を用いる場合、輸出申告時に税関の確認・承認を受ける為、確認申告書や縫製契約書、場合により主素材の生地サンプルの提出が必要となり、輸入申告時には附属書や裁断報告書などが必要となります。日本製の生地や附属品を輸出して、その材料を使用した製品を再輸入する際、製品価格の構成に含まれる原材料費の部分については関税が不要になるという減税制度になります。

以前のアパレル産業界では、海外生産を圧倒的な加工費(工賃)の安価さを背景に中国生産が大半を占めていました。その後の中国の発展による加工費の上昇に伴い、また中国一極集中生産によるリスクを軽減するべく、生産拠点がより加工費の安価な東南アジアにシフトしていく流れができました。これを「チャイナプラスワン」といいます。しかしながら、中国は日本との距離が東南アジアに比べて近く、特に海上輸送の場合は航海日数に差があり、納期や品目によって、生産工場を中国と東南アジアで棲み分けるなど、地理的優位な中国生産の比率もまだ高く推移しています。ただ、東南アジアの生産には二国間協定やアセアン協定により輸入関税が大幅に優遇されるか無税の恩恵を受けることができます。その一方で中国との間にもRCEP協定が結ばれたことにより今後、繊維製品の関税優遇が期待されています。

暫定八条とEPA

税額を算定する時の基礎となるものを課税標準といいます。課税標準となる価格(課税価格)は卸売価格に運賃、保険料その他加算要素を加算した合計額(CIF価格)です。
関税の間違いや誤解のほとんどは、この課税標準に何を含めるのかという理解の不足が原因ともいわれています。

買い手が予め売り手に無償で金型を支給したり、部品の一部を無償で供給していた場合どうなるでしょうか?それを使って作った製品を日本に輸入する場合、無償で支給した金型や部品の一部の代金を、課税標準に含めねばならない決まりになっています。

アパレル貿易には暫定八条や評価申告など細かい通関業務やシビアな納期にも対応し得る輸送手段が求められます。名鉄ワールドトランスポートはアパレル貿易に関する豊富な知識と経験を有するスタッフも多く、お客様のニーズに最適なご提案でお応えします。

確認申告書 サンプル

日本をはじめ、中国や韓国、オーストラリア、ニュージーランド、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国の計15カ国が参加する、東アジア地域的包括的経済連携(RCEP)協定が、オーストラリアとニュージーランドが2021年11月2日に同時批准したことで発効の要件が満たされ、日本及び寄託を終えた、中国・オーストラリア・カンボジア・シンガポール・タイ・ニュージーランド・ブルネイ・ベトナム・ラオスの計10カ国の間で2022年1月に発効する見通しとなりました。
これに伴い、関税の引き下げや撤廃については、基本的に協定発効日(2022年1月1日)より各国一斉に行われることとなります。

関税引下げの開始時期・期間について

最初の関税の引き下げは、協定の発効日(2022年1月1日)に締約国が一斉に行いますが、2回目以降の関税引き下げの時期は締約国によって異なります。
具体的には、日本・インドネシア・フィリピンの3カ国は、毎年4月1日に関税の引き下げを行い、翌年3月31日まで当該引き下げ後の税率が適用されます。
日本・インドネシア・フィリピン以外の国については、毎年1月1日に関税の引き下げを行い、同年12月31日まで当該引き下げ後の税率が適用されます。

原産地証明について

日本への輸入においては、第三者証明(原産地証明書)、認定輸出者による自己証明、自己申告のいずれかの証明制度の利用が可能です。
実際の申告に際しては、関税分類や原産地規則等に関する事前教示制度の活用をお勧め致します。

衣類の関税について(対中国)

衣類(61類(編み製品)・62類(織り製品))の関税につきましては、対中国に関しては、現時点では概ね下記のように合意されている状況にあります。

衣類 :現行関税から1年毎に約0.5~0.7%ずつ減税し、その殆どは発効から16年目に無税(関税撤廃)、一部は11年目に無税(関税撤廃)の方向になります。

【関税撤廃へのステップ例】
税番 620630.210 綿(COTTON)製 ブラウス・シャツブラウス・オープンシャツ、その他これらに類するシャツ
(ASEAN・オーストラリア・ニュージーランドに対する待遇)
現行協定税率:9.1%
1年目より無税(関税撤廃)
税番 620630.210 綿(COTTON)製 ブラウス・シャツブラウス・オープンシャツ、その他これらに類するシャツ
(中国に対する待遇)
現行協定税率:9.1%
1年目:8.5% / 2年目:8.0% / 3年目:7.4% / 4年目:6.8% / 5年目:6.3% / 6年目:5.7% / 7年目:5.1% / 8年目:4.6% / 9年目:4.0% / 10年目:3.4% / 11年目:2.8% / 12年目:2.3% / 13年目:1.7% / 14年目:1.1% / 15年目:0.6%
16年目より無税(関税撤廃)

品目(税番)によっても異なりますので、詳しくは下記リンク先「日本の関税に係る約束の表(附属書I)」にて、ご確認をお願い致します。
なお、下記リンク先の901~958ページに61類(編み製品)と959~1003ページに62類(織り製品)項目がございますので、ご参照下さい。

その他、当該協定に関する説明資料・Q&A等が掲載されている税関や外務省の関係各署ホームページのURLも参考資料としてご案内させて頂きます。

令和3年に実施されました財務省主催の当該協定に関する説明会資料
令和3年に開催された「RCEP協定のQ&Aについてのポイント説明」の資料